立川断層帯 地震確率高く

 ◊ 立川断層帯地震確率高く
           
 政府示唆 明確な数値は示さず
 
     政府の地震調査委員会が6月、東日本大震災の響で、「立
    川断層帯」の地震発生確率が高くなった
可能性があると発表
    した。専門家は「やみくもに怖がる必要はない」と冷静な対
    応を求めているが、
明確な数値が示されたわけではなかった
    ため、周辺住民の間に不安が広がっている。 (前村尚)
 
 
  「立川断層帯はどこを通っているのか」「うちは大丈夫か」―――。69日の調査発表翌
 日から、
立川市防災課には、市民からの問い合わせが相次いだ。窓口に直接、訪れる市民の
 姿もあり、71
日までに相談件数は、約100件にのぼった。
  埼玉県飯能市から立川市などを通って、府中市に延びる約33キロ・メートルの断層地帯
 で、「名栗
断層」と「立川断層」と呼ばれる二つの断層で形成していると考えられている。
 調査委は2003年、「今
30年以内にマグネチュード(M)7・4程度の地震が起きる確率
 は0.52.0%」と算定した。
  だが、今回は確率を出さなかった。文部科学省の地震調査研究推進本部によると、東日本
 大震災後、
日本の陸地が東西方向に伸びてしまい、この地殻変動によって「断層帯に加わる
 力」がどう変わった
のかを調べる必要があったからだ。
  国土地理院によると、全地球測位システム(GPS)のデータから、牡鹿半島(宮城県)の
 位置が東南東に5メートル30センチ、多摩地区でも八王子市が東に16センチ、町田市も14
 ンチ移動したことが判明した。調査委は、こうした位置のズレや断層帯にかかる力の値を計
 算した。
 
 その結果、立川断層帯に加わる力が、論文などで、地震の発生確率が上がる可能性が指摘
 されてい
る数値に近づいたため、公表したという。
  ただ、具体的な数値が示されていないため、判然としない。そもそも0.52.0%がどれくら
 い深刻
なのか。調査委では、一般的な事例として、自宅が30年間に「台風の被害を受ける確
 率(0.48%)」
や「火災にあう確率(1,9%)」と同じようなレベルだと説明する。
 
 調査委のメンバーで立川断層帯を初めて専門的に研究した首都大東京の山崎晴雄教授によ
 ると、調
査や文献から、最後に地震が起きたのは約2万~13000年前で、立川断層帯は約1
 
万~15000
年に1度しか活動しないと推定しているという。
 
 山崎教授は「数千年以内に活動するのは間違いない」と話すが、多摩地区の地盤は揺れに
 強い泥岩
や砂利の層があり、壊滅的なダメージは受けにくいとみている。
                  (2011.7.7 読売新聞 朝刊より転載)